~わかりやすくシンプルに、動けるBCPへのチャレンジ~
スカパーJSAT株式会社 様

スカパーJSAT株式会社 様

8年の歳月をかけて充実したBCPを策定し、毎年、経営陣も巻き込んだ訓練に取り組まれてきたスカパーJSAT様。

詳しいほど良いと考えてしまいがちなBCPを「あえてシンプルにする」という課題に、一緒に取り組ませていただいた施策をご紹介します。

 

課題意識の変化

当初は「毎年実施している訓練がマンネリ化している」という課題を一番にあげられていました。

さらに詳しくお話をうかがっているうちに「災害対応はトップから現場までしっかりできているが、BCPのドキュメントが多く、改定を重ねるうちに構成も冗長となり、初めて災害対応を行う役職員が参照しにくい内容となってしまっている」という、訓練よりも優先すべき課題が見えてきました。

 

BCPの大胆な改定

そこで既存のBCPドキュメントをわかりやすく、より効率的に動けるものにしよう、という目標を定め、以下の改定を行いました。

 

1.災害対応の全体像をフローチャートで可視化

2.事業継続に向けた体制や各部門の役割の一層の明確化

3.文書構造の単純化

4.階層別(経営陣、事業責任者、従業員)を意識した参照項目化

 

フローチャートや各部門の役割、実際に対応すべきことについては、全社的に各部門に案を提示し、それで本当によいか丁寧にヒアリングを行いました。また、各部門からの意見や事業継続に向けた課題についても、事務局でしっかりと受け止めるという取り組みも行いました。

 

成果と次のステップ

実際に各部門と調整を進めるのは大変な作業でしたが、事務局の皆さまの熱意と粘り強い取り組みにより、事業の実態を反映した実践的な計画となりました。

 

また、文書としても総ページ数が2分の1以下となり、大幅にスリム化されました。重複もなくなり、とても見やすいものに生まれ変わりました。

 

次は訓練を通して、本当に動けるBCPになっているかどうかを検証する計画を検討されています。

継続的にPDCAを回し続けてより実践的なBCPへ、事業継続に対するスカパーJSAT様の絶え間ない挑戦はこれからも続いていきます。

 

<担当コンサルタントから>

24時間365日、止まることなく通信やメディアとしてのサービスを提供されているスカパーJSAT様。私たち自身、お客さまの事業継続に対する熱意と使命感の高さに強い尊敬の念をいだきながら、少しでもそのお役に立てるようにと、プロジェクトに関わらせていただきました。

 

当初のお客さまのお悩みは、BCP訓練のマンネリ化でした。しかし、詳しくお話を伺っていくうちに関連する一連の問題が浮かびあがり、お客さま側でも総合的に判断された結果、BCPそのものをシンプルに使いやすくする、という目標が設定されました。顕在化していた課題にとらわれることなく、より重要な課題を見つけ出し、解決していくお手伝いができたことは、私たちにとっても得難い経験となりました。

 

今回の施策でBCPの一つの大きな課題はクリアできました。

次のステップとして新しいBCPの定着、そして訓練を通じたBCPのブラッシュアップなどがお客さまの視野に入っています。

 

今回改定したBCPの有効性を実際に検証しながら、引き続きご支援させていただきたいと考えています。

 

コンサルタント 藤田 幸憲

 

 

 

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