Column
「PDCAサイクル」はもう古い?
これほど奥深い競技だとは思いませんでした。
平昌冬季五輪で時間が経つのを忘れるくらい夢中になって応援した「ある競技」。
最後に円の中心に一番近いストーンのチームに点数が入る・・・。そう「カーリング」です。
有利な後攻で複数得点が入らないと分かれば、1点を取りにいかず0点にして次のエンドも後攻とする。こんな作戦もあるのです。
それよりも驚いたのが解説者の言葉です。
「あっ、Bプランに切り替えましたね」
Aプランは最善策、Bプランは次善策。
ストーンを投げてから数秒程度で、情勢判断してプランを切り替えているのです。
ここで頭に浮かんだのが『観察 → 情勢判断 → 意思決定 → 実行』。
これは『OODA(ウーダ)ループ』と呼ばれています。
- O(Observe)= 観察
相手(市場や顧客)を観察し現状を把握します - O(Orient)= 情勢判断・方向付け
(1)の観察結果により情勢を判断し方向付けを行います - D(Decide)= 意思決定
観察結果、情勢判断を元にした具体的な方針・行動プランを策定します - A(Act)= 実行
(3)で決めたプランを実行します
カーリングで例えると
- ストーンを投げる前に状況を観察して現状把握しておきます。
そしてストーンを投げるのですが、、、
少し弱かったり予定より早めに曲がり始めたりすると、 - このままAプランを進めると致命的なミスになると判断し、
- Bプランへ変更。
曲げ方により左右のどちらの人がスイープするかを決定して - 実際にスイープする。
『OODA』はアメリカ空軍のジョン・リチャード・ボイド大佐によって提唱された意思決定の方法で、本部の指示を待たず現場で意思決定・行動を行うためきわめて機動性に優れたメソッドです。
よく「PDCA」と対比され、「PDCA」は時代遅れで『OODA』にすべきだ、との記述も目にしますが、「PDCA」は「品質改善プロセス」であり、『OODA』は『意思決定プロセス』なので、元々の目的が異なることから「共存するもの」なのだと思います。
変化が激しくスピード勝負の現代。
事業を進める上で「機動性」は必要不可欠です。
そのために現場や部下に「権限委譲」し、幹部がそれを「コミット」すること。それがとても重要なのだと思います。
故「松下幸之助」氏も言っています。
『任せて任さず』
真の「権限委譲」「コミット」が『OODA』を進める「鍵」になるのではないでしょうか。
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