Column
ミレニアル世代を御存知ですか?
最新の人材開発の潮流を知るために、必ずおさえておくべきことがあります。
それは「ATD国際会議」で、何がテーマとして扱われたかを知ることです。
ATD国際会議(ATD International Conference & Expo)とは、通称ATDICE(アイス)と呼ばれ、世界120ヵ国以上、約40,000人の会員を持つ、人材開発に関する世界最大級の組織であるATD(Association for Talent Development)が年に一度開催している、人材開発や組織開発に関する世界で一番大きなイベントです。
2016年は5月22日~25日にアメリカコロラド州デンバーで開催されました。
今年、大きく取り上げられたものがあります。
それは「ミレニアル世代」(M世代)に関することでした。
M世代とは、主にアメリカで1980年代から2000年代初頭までに生まれた、若い世代をさします。
「最近の若い世代は、我々の世代と違い、よくわからない。」
実は日本と同じく、アメリカでも世代間GAPが起きています。
そんなM世代が30代になり、ビジネスの中核を担いつつあります。
M世代は、これまでの世代と大きく違います。
生まれた時からデジタル化された生活を送り、
インターネットが身近に存在している点が大きく違うのです。
そのため、これまでの世代にはない独自の価値観や思考を持っています。
特に「共同体への帰属意識が強く」、「社会奉仕やボランティアに積極的」であると言われています。
今年のATDでは、M世代に関して非常に興味深い研究結果が発表されました。
それは、「M世代は仕事に関して、何に動機づけられるか」というものです。
M世代への動機づけ要因のトップ3は、
- Impact 76%(仕事のインパクト、価値)
自分のやっている仕事の目的や意味、価値があるかどうか、社会にどんな影響を与えているかどうか。
- Learning 59%(学習)
自分の個性・能力を活かすために、知識・技術を身に付け、自分を成長させていくこと。
- Family 51%(家族のような関係性)
チームワーク・協働といった水平的な関係や、階層が多くないフラットな組織構造であるかどうか。
ということでした。
また逆に動機づけ要因とならないワースト3は
- Prestige 22%(名声)
- Autonomy 22%(自律)
- Money 10%(金銭)
でした。
M世代が生まれた時代背景は、実は日本と大変良く似ています。
リーマンショックに端を発した不況による「経済の低成長」や「経済格差拡大」の時代に育ち、
幼いころから、「デジタル技術・機器」を駆使しており、
「インターネット」を通じて、グローバルな問題に関する情報にたくさん接して育ってきた。
おそらく日本の若い世代(ゆとり世代、さとり世代)の特徴と、M世代は非常に
似ているのではないかと考えています。
M世代の理解は日本の若い世代の理解につながり、
人材開発に活かせる点が多くあると考えられます。
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