Column
ミレニアル世代を育てよう
ある企業の調査結果に衝撃を受けました。
「今後5年以内(2020年末まで)に離職する = 50%強」
これは日本の「ミレニアル世代(M世代)」に対する調査結果です。
M世代とは、1980年代から2000年代初頭までに生まれた比較的若い世代をさします。
一般的に、新卒社員は3年以内に30%(大企業は25%程度)が離職すると言われていますが、新卒や中途を問わず「M世代」で捉えると、上記のように想像をはるかに超えた結果となっていました。
M世代というと中堅層から若手の社会人や学生であり、企業の将来を担う人たちです。
いま企業で検討されている「働き方改革」。
M世代の検討なくして進めることは出来ないかもしれません。
さて、このM世代。
昨年と同様、今年のATD国際会議でも重要なキーワードの一つになっています。
ATD国際会議(ATD International Conference & Expo)とは、通称ATDICE(アイス)と呼ばれ、世界120ヵ国以上、約40,000人の会員を持つ、人材開発に関する世界最大級の組織であるATD(Association for Talent Development)が年に一度開催している、人材開発や組織開発に関する世界で一番大きなイベントです。
昨年は、M世代への仕事の動機づけ要因トップ3が発表されました。
- Impact 76%(仕事のインパクト、価値)
- Learning 59%(学習)
- Family 51%(家族のような関係性)
今年は、その「Learning」に関連する興味深い研究結果が発表されています。
人材育成に対する現状調査の結果、テキストや書籍より映像から学んだほうが記憶に残る割合は「82%」。
さらに、直近に受けた受動的な研修の内容を忘れている割合は、なんと「74%」もいるのです。
このようなM世代に響く育成のヒントが2つ挙げられています。
1つ目は「ゲーミフィケーション」。
成功させるポイントは「研修の目標から逆算してゲーム的な要素を組み込む」、「シンプルに映像化する」ことです。
2つ目は「マイクロラーニング」(来月号にて詳報予定)。
これも、今年のATD国際会議における重要なキーワードの1つになっています。
こちらの成功ポイントは「3分以内になるよう短くする」「すぐ実践できる内容にする」「学習後にすべき行動を明確に伝える」ことです。
M世代のモチベーションをアップさせ離職を防止する。
その為に、M世代に響く育成を行うことも「働き方改革」の打ち手なのかもしれません。
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