CaseExample
実践型「高速PDCA」研修 ~コンタクトセンタの組織マネジメント力強化~
コンタクトセンタ業界が直面している課題
労働人口の減少により、人手不足が多くの業界で取り上げられています。
コンタクトセンタ業界においても、新たに採用することが困難な状況が続いている為、
従業員ひとりひとりの生産性をあげることが求められています。
このような状況下において、コンタクトセンタにおける、お客様との直接の窓口であるオペレータの育成は重要です。
そこで、オペレータの管理を担うスーパーバイザー※1(以下、SV)やグループリーダ※2(以下、GL)のスキル向上は、オペレータの生産性および品質向上の観点からその必要性が高まっています。
※1 スーパーバイザー・・・グループリーダーとオペレーターの管理・指導
※2 グループリーダー・・・SVの補助、オペレーターの管理・指導
そのため、マネジメント層であるSVやGL個々人の育成指導力を強化する、いわゆる個人の質を向上させることに重きを置くことが一般的です。
しかし、そのスキルやノウハウは属人化してしまいがちです。
組織としてのコンタクトセンタを活性化するためには、「個人の質」の向上とあわせて、組織内部の連携強化によってセンタ全体としてマネジメント力を高めていくことが求められます。
今回の課題と研修の概要
【背景・目的】研修導入以前に、センタでもプロジェクト(品質向上のための業務改善、育成PJなど)を作り活動を行っていました。しかし、PDCAが上手く回っていなく、各PJの取り組みがセンタ内でも共有がされておらず、早期の改善を必要としていました。
そこで、今回はセンタ運営での育成指導における問題に対しての「PDCA力」、そしてセンタ全体への有力な情報を発信する「情報共有・展開力」、つまり『個人力の向上とともに、組織力の強化』を目的とした施策を行うことになりました。
【研修概要】
- 目的①:PDCA力の強化
オペレータの応対力向上に向けた、一連の育成サイクルの強化
育成サイクル:(課題抽出~計画策定~指導実践力~振り返り) - 目的②:情報共有・展開力
コンタクトセンタにおけるSVとGLのリーダーシップの必要性、
マネジメント層のあり方、他職位連携の取り方についての理解
プログラムの概要
【対象者】- 各ユニットの代表SVとそのSV直下のGL
- 上長
【各研修の説明】
- 研修①:業務改善研修⇒問題解決、PDCAの考え方の習得。オペレータの中で指導対象を1名選定し、その対象者の応対の課題を分析し、改善のためのアクションプランを作成。
- 研修②:個別面談⇒ユニットごとに2時間ずつ時間を設け、アクションプランの進捗確認、躓きポイントのアドバイス、アクションプランのブラッシュアップを実施。
- 研修③:フォロー研修⇒成果報告会に向けて、定量的・定性的な成果の考え方、成功と失敗の要因分析、Check、Actionの考え方の習得。
- 成果報告会:1ユニット15分の時間で、目標、取組み内容、成果、
分析内容、今後の対策などを発表。
【研修のポイント】
- 対象者を同ユニット内のSVとGLの2階層とし、実業務に紐づいた指導と連携強化をテーマにして研修を行った。
- 研修の全体設計として、約4ヵ月の中で集合研修や個別面談を定期的に実施し、受講生がPDCAを回さねばならない仕組みとした。
<研修①のタイムテーブル例>
お客様・受講者の声
受講者のコメント
- 行動計画をきっちり立てて実行していくというプロセスは大変勉強になりました。
- PDCAの大切さを気付くことができること、自分の振り返りができ、自身の強み・弱みも見えたこと。また、感覚的に仕事を進めるのではなく、しっかり効果測定が必要なことに改めて気付けたため。
- 今まで自分が行っていたPDCAサイクルは、したつもりになっているだけで何もできていないと思いました。自分がPDCAサイクルを回すにあたり弱み・強みが明確になり、方法も学べました。
- PDCAについて分かっていたつもりでしたが、やるまで理解できていなかったというか、ニュアンスで分かっていたつもりだけだった気がします。
上長のコメント
- 今回の研修はSV・GLにとって非常に良い経験になったと思う。見ていてもSVが頼もしくなったように思います。是非他の人にも受けて欲しいです。
- 初めは「時間がない」「できない」としきりに言ってた印象が残っているが、後半研修が進むにつれ、自分達(SV、GL)でしっかり時間の管理をし、積極的に取り組んでいる姿勢が見られた。
- SV、GLの連携が密になり、お互いスムーズなフォローができるようになったことが一番大きな変化です。