CaseExample
新たなクラウドサービス提供に伴う、技術+ビジネス展開への実践育成
新規ビジネスモデルの創出には、「開発」と「展開」が重要です。特にテクニカル領域になると、技術開発・サービス開発は行われるものの、それらをビジネスとして展開することに苦労されるシーンがあります。
今回ご紹介する事例は、大手システム会社が自社でのクラウドサービス立ち上げに伴い、展開する実行人員の強化・育成を、実際の案件で得られた知見を織り込んだカリキュラムと、グループ討議を含むワークショップ形式による講義で、如何に効果的に進めることができたのかをご紹介します。
サービス提案が必要なものの、現実的なレベルの差
A社様では、新たにクラウドサービスを全社的に事業展開するのに伴い、実際の現場でサービス提案を行う営業部メンバーやフロントSEを対象として、「クラウド」ビジネスの基本概念を理解させる研修を進め、社員のクラウドビジネスに関するスキルアップやビジネスへの理解促進を図ることが急務となっていました。
「全国展開を行いたい」
「やるからには体験を含め実りある研修と意識改革を」
といった方向性はあったものの、
「対象者の知識レベルがまちまちで、部署によっては「クラウドって何?」といった初級レベルからのスキルアップが必要」
「世間一般に「クラウド」サービスの関心が高まるのに比例して、利点だけではなく欠点とその対処法まで含んだ実践的な知識が、サービス提案の場でも要求される」
「eラーニングや単なる座学だけでは知識がスキルとして身につかない」
などなど不安材料が多く、単に社員に対して既存の研修の受講を促すだけでは十分な効果が得られないことが予想されました。
本当に必要とされている研修とは -お客様目線のカリキュラムを-
単なるクラウド技術ではなく、ビジネスの観点=市場性やビジネス活用事例、他社との差別化、サービス提案方法からみたクラウドと、これらを可能とする必要な基礎技術の習得をコンセプトとして、研修カリキュラムの開発・設計し、実施に至りました。
1)営業職、フロントSE職担当の方をターゲットに、クラウドサービスを取り巻く現状、定義、適用分野とトラブル事例など、知っておきたい基礎知識の紹介をまず冒頭で行いました。身近で具体的な事例を織り交ぜつつ、基礎知識について学習し、これにより受講者間での知識レベルを揃え、続くカリキュラム内容の理解度の向上を図りました。
2)お客様企業の協力を元に、お客様の商材紹介をカリキュラムの一部として組み込み。
商品サービスの開発元SEに登壇いただき、他社サービスとの比較(得意領域/苦手領域)、提案の場で協調すべきポイント、先行事例の紹介を含めた解説を行いました。
3)ワークショップ形式によるグループ演習の実施。
実際のサービス提案の場を想定したシナリオを用意し、グループごとに討議と発表、総括をそれぞれ行うことにより、具体的なサービス提案の進め方を把握しやすくすることと、様々な視点に触れることにより多角的な分析を可能とすることを目指しました。
<プログラムの流れ>
- クラウドサービス概要
- 「非機能要求グレード」を利用した要件定義の精度向上
- 商材紹介
- ワークショップ形式(グループ演習)を通じた提案プロセスの体験
特徴
当研修のポイントは次の3点です。
- 実際のサービス開発で得られた知見などを盛り込んだ教材
- 実務に近いワークショップ形式の演習
- グループ発表の相互評価による異なる視点への気づき
これら特徴・工夫したカリキュラムにより、様々なレベルの方々に単なる受け身の研修ではなく、主体的参加・習得促進に至り、最後まで興味を持って理解頂きました。
カリキュラム内容
1日目 | 2日目 | 3日目 | |
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AM |
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PM |
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さいごに~技術領域の守備範囲~
技術分野においても単なる技術知識の習得ではなく、どのようにビジネスに展開するのか、どのように活用するのか、といった本来企業として必要な姿を研修を通じて実現に寄与します。
特に技術の進化・進歩は早く、今回事例のクラウドサービスの関連技術である「仮想化」や「分散システム」、「ビッグデータ」、今流行りの「IoT」「AI」といった領域、そしてトレーニングやより技術面に特化したSE職の方向けの上位コースなども提供が可能です。