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ハートフル応対研修 ~高齢者応対スキルの向上とモチベーション向上をめざして~
研修の目的がその研修のタイトルとなることはよくありますが、「モチベーション向上研修」という研修名だとすると、どんな印象を持つでしょうか。そもそも「モチベーションを上げましょう」と言われて「はいわかりました」とはなりにくいですよね。ブルームの期待理論「モチベーションの高さ=期待(実現可能性)×魅力(報酬※金銭だけではない)」をベースに、仕事への期待と魅力が掛け算となって、研修の中で伝わるように構成した研修例をご紹介します。
ハートフル応対研修 ~高齢者応対スキルの向上とモチベーション向上をめざして~
総務省発表のデータによると、日本の人口は2010年をピークに減少し続けています。2020年の人口総数の予想は、生産年齢人口(15歳~64歳)の割合は59.2%、65歳以上の高齢化率は29.1%で、2030年はそれぞれ58.1%、31.6%と高齢化社会が加速していく予想です。このことから、今後は高齢者の対応が増えてくることが想定されます。高齢者の応対にあたり、高齢者の特性についての知識を知り、個々に合わせた応対が求められます。日々お客様と接するコミュニケーターに求められる応対、目指すべき応対等について学びます。また、自身のモチベーションを向上させ、さらなるお客様サービス向上をめざします。
成長を続けるコールセンター/コンタクトセンター市場、通信販売業界
近年、多くの商品をお店に出向いた購入から、インターネットや通信販売による購入が増えてきています。インターネットの市場規模は年々増加してきており、過去3年の増加率は18.8%ともいわれています。コンタクトセンターの2013年度~2017年度の市場規模は、平均成長率3.9%ともいわれています。それに合わせて、通信販売業界の市場の伸び率も3.7%程度微増してきているといわれています。コンタクトセンターの利用は、今後、高齢者の方々の利用も少なからず増えてくると想定されます。
高齢者からの問い合わせへの応対
コンタクトセンターにおいて、高齢者からの問い合わせ応対にあたっては、高齢者の特性を知り、高齢者個々に合わせた応対をする必要があります。コンタクトセンターの役割と目指すべき姿を共有し、コミュニケーターがお客様個々に合わせた応対を実践できるように、知識とスキル醸成を図る研修を行います。
- 自組織に必要なこと・自身への期待や役割を考える
- 高齢者の特性を認識する
- ハートフル応対のコツを理解する
- 高齢者応対のロールプレイングで体得する
- 自信と達成感で仕事へのやりがいを大きくすることを考える
カリキュラム(案)
時間 | 項目 | 内容 |
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10:00 |
オリエンテーション<30分>
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今後の自センタに必要なことを考える<3時間>
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<狙い>
<流れ:イメージ> そもそも「自センタのお客様」はどのような年代、状況の方なのかを再認識
自身の基本応対の見直しが必要であるとの認識 |
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高齢者の特性を再認識する<30分>
ハートフル応対のコツ<2時間>
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<狙い>
<流れ:イメージ> 基本応対を見直す上で、メインのお客様である高齢者の特性理解
お客様役も演じることで、今後の自身の応対の気づきを促す |
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17:00 | 質疑応答・まとめ 研修終了 |
高齢者応対のスキル向上とあわせ、コミュニケーターのモチベーション向上を図る
コンタクトセンターにおいても、新人、若手、中堅時代にはスキル向上等の研修を受講することもありますが、ベテランになると研修を受講することも少なくなってきます。異動もなく、同センターに長年在籍し、業務内容も変わらないコミュニケーターは、特にそういった機会は限りなく少ないです。また、新たに若手社員も入ってこないと環境も大きく変わりません。しかし、やる気が落ちている訳でもなく、モチベーションが下がっている訳ではありませんが、実は上記カリキュラムには、そういったコミュニケーターのやる気やモチベーションをさらに向上させる仕掛けが随所に散りばめられています。
例)
「お客様との信頼関係構築」の解説では「職場内での信頼関係構築」の必要性も解説。
例)
「リフレーミング(ものの見方を変える)」の解説ではお客様に対する思い込みだけでなく、仕事に対する固定概念も取り払い、ポジティブな取り組み姿勢を醸成する。
やる気やモチベーションを向上させるには、理論だけでは解決できないことも多いです。カリキュラム内容や仕掛けの工夫、また講師のオペレーションを工夫する等、業務スキルの向上を前面にちょっとした仕掛けを盛り込むことにより、モチベーションもさらに向上させることもできます。一度、ご検討してはいかかでしょうか。